①正確な情報をお客様に伝える事の重要性

会社の良さやオペレーションをアピールしたりテレビCMを使って宣伝したり
新聞で広告打ったりと従来の宣伝の方法も<まだ>効果はあるでしょう

それにしてもSNSそしてインターネットがこの10年で重要なポジションになりました
いかにアピールして使ってもらうかは商売では本当に大切です

誤った情報を与えてもいけないし、
いざ使った時に思ってたんとちょっと違うっていうのも結構迷惑な話ですよね
このブログもそうで、誰に向けて書いてるかっていうと
これから高麗堂フリーオークションに参加したい、出品したいって思っている
次世代の美術商、道具商に向けて書いています

その会社の社長がどんな経営方針を持っていて
お客様に対してどのような考えを持ってアプローチしているのか
それをブログに書いています

フリーオークション前夜、元来オークションというのが業者間取引で
あまり一般の人が出入りできない、出入りしないスタイルを取ってました
どの部分をユーザーに訴求したたいいのかがわからないって所で
社内で3年前に検討した結果生まれたのが<高麗堂フリーオークション>です
 
フリーオークションは一般の人も参加できる自由度の高いオークションです
なぜ、そうなったかと言うと深い理由があります

今回はその誕生秘話に迫ります

②フリーオークション誕生秘話

倉敷美術倶楽部は会員制です
会員制なのには理由があります
会場の規模も少し関連しています
40数年以来骨董品、美術品の専門的かつスキルの高い美術商が熱い取引をしています

一般の方が入れないのは差別しているわけではなく
専門性の高い美術品の交換と取引を一般の方が見ても
全く面白くもないし、むしろ1回来て2度と来ないってなるのがオチで。。。

あと人だけ増えて出品者の高額な美術品に破損があった場合の保証問題などもあります
結構何で入れないんですかって問い合わせがあります
それは一般の方を思ってのことです

その中でも倉敷美術倶楽部のメインオークションも万能ではないという事を討議したのが3年前です

同時にその会員制という縛りの対局ステージを作る意味でも
一般の方が楽しく取引でき出品できる装置を作っていこう
社会貢献のステップをさらに踏んで行こう
そして、参入障壁を低くして次世代の道具屋を育成しようという意味も
フリーオークションには込められています

多様な物があふれている世の中で
様々な道具類も沢山あります
従来はそのような道具類も3日、13日、23日に競っていました

そして、倉敷美術倶楽部の会員様の中でも多種多様な好みがあるという事で
カテゴリーでありプログラムを検討していきました

品質の高い美術品、お道具を扱う業者
おもちゃやホビー、軍隊関連が好きな業者
稽古道具などを安価な道具類を沢山扱う業者
ブランド品、時計が好きな業者
マイセンなどの洋食器を扱う業者
それを一つの中華鍋で炒める事の違和感を突き詰めていきました

昔の市場の感覚ってその中華鍋で多量な油を投入して
調味料をぶち込んで、なんとか一つの大皿にしてたんです
この部分関してはその時代を描写しています
バブル期前後で本当に景気のいい時代だったんだと思います
なんでも高く売れてた時期がこの業界にもあったんです

玉置浩二のメロディーじゃないですが
<あの頃は何もなくて、それでも楽しくやったよ>って感じで
何も考えてなくても若いだけ、集まるだけで楽しくやれたって思うんです

でも、そこにいきなりインターネット革命が押し寄せてきて
ただただ楽しくやってたら市場が立ち行かなくなるんじゃないかって
アップデートを余儀なくされる的な感じで
社内でちょっとした危機感があったんですよね
この市場、オークションっていう社会循環装置を
次世代に継承するという側面で必要な事ってなんだろうって

昔は口移して教わっていた美術品の鑑定キュレーションなども
今やスマホの中のオークファンに答えが全部のっちゃっています
大学受験で電子辞書の持ち込みができるって
最初はびっくりしましたよね

  
そして会員制と一般参加可能という両面で
メインオークションとフリーオークションを分離する試みが開始されました

時代が激動する中、メインオークションの成り行きを廃止して
フリーオークションに引越しするという一世一代の大移動が始まりました

③引越しする事によってお客様の利便性が格段上がった

メインオークションの成行、荒道具をフリーオークションにお引越し
お引越しするにあたって自信があった部分は
成行とメインの購買層、プレイヤーが全く違ったって事です
自分が取り扱っていない道具の時は
やっぱり暇なんですよね
興味がないので
なので分離するにあたって、科学的な根拠に基づいた自信がありました

トラはがっつりした赤肉を食らうけど
パンダは笹などの草を美味しく食べます
トラに笹を出しても見向きもしないし
パンダは肉類食べない

単純な事なんですが社内でも非常に検討に検討を重ねました
やっぱり朝一の成行で全体の勢いがついて。。。という
従来の市場論も理解はできますが
来会するお客様の時間を頂く、市場主としては
より有意義な時間提供がお客様に対するリスペクトではないかと思っています

経営資源の選択と集中
お金を使う前にできる改革
社員の意見をしっかり耳を傾けてお客様が何を求めているか
正確な情報を得て政策を決定する

この意思決定が1ヶ月先まで出品が途切れない現在のフリーオークションの続伸につながっています

④当たり前化した無駄を見つけたら最大のチャンス

僕が好きな本で<コンテナ物語>という本があります
20世紀最大の発明は貿易コンテナだとも言われています
それまで波止場から波止場へと人力で下ろしていた荷物を
A地点からB地点はコンテナという箱が運ぶという
まさに画期的な発明でした

そこには軋轢があって、波止場で働いている人たちと
その働いていてる人たちを雇っている港湾管理会社などがあり
コンテナ会社と港湾会社とで壮大なバトルが展開されます

何か新しい事を始める時ってやっぱり軋轢があります
そしてそこには既得権益がいて保守派ががっちり守っているんですよね

ウーバータクシーもそうです
海外ではタクシー免許を持っていない一般の人も
ウーバーに登録して稼ぐことができます
凄く合理的ですよね

 
10年前、京都に行く時に岡山から業者が5人くらい
一緒の地域から一つの一緒の市場に行ってたんですよね
それを見て本当に無駄だなって思ってたんですよね
それは商売が違う、所帯が違う、仲が悪いなどありますが

一緒の方面からハイエースが5台出発して
一つの市場で鬼のように競り合って買って
そしてまた岡山に戻っていく
乗り合わせていけば凄くエコだし
燃費もいいし。。。
いつか誰かのたれ死ぬなって思ってました
時代の流れで実際廃業を余儀なくされた方もいらっしゃいます

やっぱり、思考が停止すると業務も前進しないです
前進させる為には脳に汗をかいて、社員と様々な相談をしながら
改善改革を繰り返していく事が一番大切です

そういった思考と方法論でフリーオークションに関しては
大変ですが箱を作って流したり
少し高級品やおもちゃに関してはボテに入れて下見できるようにしたりで
社員達が自分たちで考えて改革と改善を繰り返しています

その時に私としては邪魔をしない
社員の考え尊重する事を徹底しています
やっていたら自分がやりたくなったり
言いたくなったりとたまにありますが
とにかく見守る

やっぱり社員を信じて、ドンと任せる事が一番大事だと思っています
そして社員が困ったこと、クレームだったり難しい問題に直面した時に
自分が持っている情報や能力を使って
今が出番だと社員に安心を与えます

正直、自分より専門知識も多くスキルの高い社員達が
一生懸命お客様のために日々業務に取り組んでいます

今のオークションがあるのは社員の力です
そして高麗堂が企画する生身のオークションを
もう一度再現してみろって言われても再現不可能です

 そこが、会社や事業の魅力であったり目に見えない価値だと思います

誰でも出来ることを自分達がするのではなく、自分達しか出来ない事をやっていく
それこそが最大の差別化であり、長所だと思います

暑いので皆様熱中症に気をつけて下さい

(了)